■「スマート・ベニューハンドブック」の超要約
スタジアム・アリーナの資金調達から運営までの詳細を網羅した解説書。補助金・交付金や自治体のスキーム紹介、運営実態の内容は秀逸。ハード面からスポーツを一段高めたいと考える関係者におすすめの一冊。
■「スマート・ベニューハンドブック」読後の所感
計330ページ。内容もがっつり専門的で、すらすら読み進めていける人は少ないかもしれません。業界で20年近く働いてきた自分でも、スタジアムやアリーナに関する新しい知見を沢山得ることができ、書籍代2,000円の価格以上の価値を感じました。
読み進めるというよりも、興味ある部分から読んでいき、そして資料として辞書的に置いておく教科書的な内容の書籍であります。
■「スマート・ベニューハンドブック」を読んで自分が印象に残ったこと
●10年以上前のスタジアムや陸上競技場は、交通の便が悪い郊外の公園に建設されている印象が強かったですが、最近は駅近くなど利便性の高い立地で建設されることも多くなってきました。その大きな理由に、2009年を節目に、適用する補助金が変わったことが大きいことを本書を読んで初めて知りました。
●補助金・交付金、また事業スキームとして、いくつものパターンがあることが勉強になるとともに、この辺りは自治体担当者でも勉強していなければ明るくない場合も多いので、こうした論拠をクラブ側が情報として持っていて、建設などの動きを行う際に提案できるようにしておくことは、スタジアム・アリーナ建設を主体的に進めるために必要な情報だなと感じました。
●ハードへの投資や集金、補助金や交付金を使うスキームに関しての解説は深いです。一方、ソフトや運営ランニングに関する事例やスキームの紹介は、参考になるアイディアはあるものの、まだ、グッと踏み込んだ成功事例や勝ちパターンはこれから作る必要があるんだな、と本書を読んでいても感じました。
■「スマート・ベニューハンドブック」をこんな方におすすめします
●これからスタジアム・アリーナを建設する方やそのステークホルダー
●スタジアム・アリーナを核にした街づくり・街おこし・地方創生に関わる方
●上記の内容に興味がある方、今後関わりたい方
●スタジアムマニアな方
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