スポーツ業界に興味ある方から、このような質問をよく頂きます。
- どういった人物像が求められるか知りたい
- 資格とかスキルは必要か知りたい
- 現在、やるべきことを知りたい
この記事では、将来、スポーツ業界で働きたい学生さん、転職を検討している25歳くらいまでの社会人の方むけに、求められる素養について書きたいと思います。
自分は、このスポーツ業界で20年超働いてきました。<経歴とプロフィール>
スポーツチーム・クラブで採用活動も行い、10名くらいの方を実際に面接し、採用しています。
そんな自分の回答は以下です。
- 求められる素養は「謙虚な心」「素直な気持ち」「明るく前向きな姿勢」
- 資格は不要。でも持っていると有利な資格やスキルはある
- 学生なら「自分磨き」、社会人は「本業で結果を残す」ことに全力
今回は、
求められる素養は「謙虚な心」「素直な気持ち」「明るく前向きな姿勢」
と書いた理由について、深掘りしたいと思います。
理由①:スポーツチーム・クラブは中小企業
最大の理由。なぜならスポーツチーム・クラブは社員数の少ない中小企業であり、小さな組織だからです。
そして業務のほとんどを、OJTで先輩社員から学ぶから。
面接をしていると「社員教育などありますか」という質問を頂きます。
しかし、社員教育ができているクラブは、自分の知る限り、ほとんどありません。
では、どうやって仕事を覚えていくか・・・それは、先輩社員からOJTで習得していくのです。
だからこそ、先輩社員からの指導に対して、どん欲に学ぶ姿勢、素直にマネることが、最初は強く求められます。
常勤で働いている社員数は、クラブの事業規模にだいたい比例しています。
例えばプロ野球球団なら社員数は50人~150人程度。Jリーグクラブなら15人~50人、Bリーグクラブだと10人~20人前後が多いです。
参考までに、チーム・クラブの業務を担当ベースで取り上げてみました。
①営業担当
②広報担当
③WEB担当
④広告デザイン担当
⑤チケット担当
⑥ファンクラブ担当
⑦グッズ担当
⑧トップチーム強化担当
⑨ユース担当
⑩スクール担当
⑪行政担当
⑫地域活動担当
⑬総務担当
⑭経理担当
・・・といった感じで、多岐にわたります。
この14種類の業務を、例えば10人で担当すると考えた場合、1人2役の人がいることは、容易に想像できますよね。
だからではないですが、眼の前の業務に追われ、常にバタバタ・・・マニュアル整備なんかは後回し、というのが実態だったりします。
話はそれますが、マニュアルや手順書を整えることは、スポーツチーム・クラブの大きな課題です。
ナレッジが会社に貯まらず、人にたまってしまう・・・
もちろん、マニュアルや手順書の重要性は、強く認識しています。
しかし、実際には、「人に仕事が付いている」状況から、抜け出せていません。
日々の業務を回すので精一杯、というチーム・クラブが多いのが実際です。
理由②:スポーツ業界は接客業
スポーツビジネスでは、お客様に価値を提供し、その対価を頂くことでビジネスが成り立っています。
どれだけ素晴らしい競技力を持っていても、そこにお客様が「価値」を見出さなければ・・・、つまり「お金を払う」という行為に結び付かなければ、それはスポーツビジネスではないです。
自分は良く、このスポーツビジネスを飲食店に例えます。
レストラン運営をイメージしてください。
例えどんなに料理が美味しくても、店主が不機嫌な様子だったり、感じが悪かったら、「もう二度と行かない」と思ってしまう。
いつまで待っても注文した料理が来なかったら・・・同じく二度と行くことは無いでしょう。
お店が清潔でなく、床にゴミが落ちていたりしたなら・・・たいてい、次はないですよね。
スポーツ興行も全く同じだと自分は考えます。
フロントスタッフにできることは、限られているかも、しれません。
しかし、お客様の気持ちに立って、当たり前のことをできる限り当たり前にやることは絶対に求めらると思います。
スポーツ興行も同じです。
スポーツは、生活必需品ではありません。
当たり前のことを当たり前にやり、お客様に悪い印象を持たれないこと、つまり「顧客を失わないこと」こそ、とても大切になります。
そして、
「あの人がいるから、行こう」とお客様に思ってもらう。
それは「選手」でなく、スタッフでもいい。
料理が「そこそこ」であっても、スタッフが名物であれば、人気店にもなれる。
だから、スポーツビジネスは接客業と同じ。
接客業だからこそ、「謙虚な心、素直な気持ち、明るく前向きな姿勢」でファンを作れる。
これは、絶対条件と言えるくらい大事なポイントだと思っています。
違う性格だったら、「演じる」だけ
では、こうした素養をどうやって身につけるか。
自分はちょっと難しいなぁと思っても、諦めることはありません。
できることはあります。それは・・・
「謙虚な心」「素直な気持ち」「明るく前向きな姿勢」をもつ自分を演じる
性格は、簡単には変わらない。だから、演じるのです。
会社に入るとき、仕事をしている時、徹底的にこれらを意識し、なりきってしまう。
皆さん自身が俳優になるのです。
お笑い芸人とかも、カメラが回っていないと全く無口な人が、いるとかいないとか・・・まさにこの世界。
演じなければならない理由。それは、スポーツチーム・クラブで働く人に、強く求められているから。
スポーツ業界は中小企業であり、接客業であると書きました。人と人とのコミュニケーションがとても大切になります。
だからこそ、 「謙虚な心」「素直な気持ち」「明るく前向きな姿勢」 こそ、成功への近道。
ここからはテクニック的なお話しも、少ししましょう。
これからスポーツチームやクラブで働こうと考えているのであれば、面接の段階から上記を強烈に意識して下さい。
ご縁があって入社してからも、強く意識して仕事に取りくんでください。
周りが求め、期待している自分になってください。違うなら、なりきってください。
演じ続けると、それが自然に身について、気づけば自分の性格も変わっていきます。
気づいたら、演じることが日常になってます。
「謙虚な心」「素直な気持ち」「明るく前向きな姿勢」を持っている人に対し、悪い印象を持つ人はいないですよね。
「あなた」をきっかけに、そのスポーツのファンが増える。
小さな成功体験の積み重ねが、自然とあるべき姿になっていく。
こうして、周りと上手くコミュニケーションを取って、大きな仕事をする方を何人も見てきました。
「謙虚な心」「素直な気持ち」「前向きな姿勢」こそ、スポーツ業界で働く人が、絶対に持つべき素養だと、自分は強く思います。
スポーツ業界がもっともっと魅力的な業界であるために・・・
この記事が、少しでも皆さんの参考になれば嬉しいです。
感想、異論・反論、今後こうしたテーマを取り上げてほしい等ありましたら、教えてください。
長文にお付き合いいただき、ありがとうございました。