クラブ経営・運営の年間カレンダー(ビジネスをスムーズに構築する用)

自身が身近に経営に携わっていたB.LEAGUEクラブを例に、クラブ運営の年間カレンダーを整理しました。

プロ野球、Jリーグ、Bリーグと続き、2022年にはラグビー(リーグワン)、ソフトボール(ダイヤモンドリーグ)等々、各種スポーツで、クラブ経営を独立化させていく流れが加速しています。

また自分みたいな人物でも「新たな参画し、クラブ運営を考えている」というご相談を頂きます。

クラブの経営視点で考えると、クラブには多種多様な機能があり、役割があり、そしてタスク・業務があります。

またステークホルダーが多いのも特徴のひとつです。

そのためか、日々の業務は常に慌ただしい・・・恒常的に「締切に追われている感」が拭えず、忙しい感じになっているクラブが多いこと、察します。

また、「時間があれば・・・」 と、スポーツクラブの経営や運営に携わる方から、良く聞きます。

言いたくないけど思わず口に出てしまう。

「良いアウトプットをするためには、良い準備が必要」


クラブ経営で良い準備をする一助になればと、クラブ運営の年間カレンダーを自分なりに整理しました。

これからクラブ経営を検討されている方には、この記事を見て、ざっくり経営イメージを持てることをゴールにしています。

また現時点でクラブ経営されている方は、こちらのカレンダーを参考に、自クラブの現状と照らし合わせ、課題の洗い出し作業等で参考にしてもらえれば幸いです。

B.LEAGUEクラブの年間カレンダー

年間カレンダーを整理するにあたって、要点を以下に書きました。合わせて参考にしてもらえると幸いです。

①大枠から決めていく

予算規模の大きい項目は、経営インパクトが大きいからです。
売上予算の大半を占めるスポンサー、費用予算の4割程度を占める選手チーム人件費。この二つを最優先で定めていきます。

いずれも相手があっての交渉ごとのため、予定通り進まないことはままありますが、目標と予算を決め、その到達に向けて動くことが大事になります。

②ゴールから逆算する

グッズ販売を考えると分かりやすいです。

開幕で商品棚がいっぱいになっていることをゴールとすれば、グッズの生産にだいたい2か月程度のリードタイムが必要で、その前には発注がマスト。

発注前には当然、どんなグッズをどれくらいの数量を販売するか決める必要があり、その場合、その前に大枠での予算策定が必要、といった感じです。

③制約条件や世の中の動きを考慮

選手契約や施設予約などでは、リーグや行政などで「この期間で行うこと」といったスケジュール面で定めたルールがあります。

これはクラブ単体では動かすことができない制約条件になるため、このスケジュールに沿って決める必要があります。

スポンサー営業でいえば、いくら良い提案をしても「今年度はもう予算が無いです」という回答をもらうことが多かったりします。

予算を取ってもらうためには、相手の予算策定時期や決算時期を把握し、それに合わせて動くことが大切です。

④全てが連動することを常に意識

開幕ポスターを一例に解説すると、ゴールはこんな感じになるかと。
(1)開幕前に掲出されている。
(2)試合開催が通行者に伝わる。
(3)ポスターをきっかけにチケット購入やWEB検索等目的を果たす。

これら(1)~(3)を満たすよう、逆算してスケジュールを決め、制作を進めます。

作業工程 ※( )記載は担当部署
◆素材集め
└選手写真等の撮影(広報部)
 └ユニフォーム採寸納品済み(強化部)
  └掲出スポンサーロゴ確定(営業部)
└スローガン確定(強化部、広報部、経営陣)
└チケット販売情報(チケット部)
└掲出用スポンサーロゴ(営業部)
└後援申請(地域貢献部)

◆掲出可能箇所の交渉・見込み確定(マーケ部)
◆デザイン確定・印刷&納品(広報部)

◆配布・掲出作業(多くの社員で、掲出作業や持参/配布作業)

ポスター一つを作るにも、これだけの部署や人が絡んでいます。

責任部署は明確にすれど、該当部署だけで完結しないことが分かる、一例です。

これがスポーツビジネス業界が難しいと言われる一つの特徴かと思われます。


今回作った年間カレンダーは、本当にざっくりした物となっています。

しかし、自分自身の経験を振り返った時、この年間カレンダーを参考にして業務を進められれば、様々な意味で余裕が多少持てるクラブ経営ができると確信がございます。

この年間カレンダーを見て、自クラブの進捗が順調かどうか、進捗状況をチェックする形で活用してもらえれば有難い限りです。

感想やご要望あれば、「匿名の質問箱」もございますのでご活用ください。

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