”横浜F・マリノスが仕掛ける「攻めの戦略」”の記事から、スポーツマーケティングで大切な3つの要素を学ぶ

”横浜F・マリノスが仕掛ける「攻めの戦略」”の記事から、スポーツマーケティングで大切な3つの要素を学ぶ

スポーツマーケティングを考える上で、示唆に富んだ記事がありました。

入場料収入がなくても…横浜F・マリノスが仕掛ける「攻めの戦略」(二宮 寿朗) @gendai_biz
失った入場料収入を、いかにして補填していくか。新型コロナウイルスの影響によって中断が続くJリーグ。クラブ経営へのダメージが懸念されるなか、「攻め」に転じようとするクラブが出始めている。昨季のJ1王者、横浜F・マリノスもそのひとつだ。

まずはこの記事を読んでいただき、その後に以下を読んでいただければ、より理解が深まるかと思います。

なお、この記事にはスポーツマーケティングを思考するにあたって、大事にしてほしい要素がいくつもみられるインタビューだと自分は感じました。

上から目線に感じられたら大変おこがましく、またそういった発言ができる身分でも無いのは承知で、自分なりの解釈をふまえ、ご紹介したいと思います。

スポーツマーケティングで大切な「ギブアンドギブ」の精神

スポーツマーケティングで大切な「ギブアンドギブ」の精神

まずは地域に根差すスポーツクラブの在り方として社会貢献活動やいつも応援してもらっているみなさんに対する支援を考えていく必要がありました

入場料収入がなくても…横浜F・マリノスが仕掛ける「攻めの戦略」
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/72745?page=2

人間は他人から親切を受けると、お返しをしようと感じる生き物であったりします。他人から親切を受けたら悪い気はしませんよね。

でも一方でそこに裏があるのを感じてしまうと、信用できないと感じるのではないでしょうか。

だからこそ大切になるのが「ギブアンドギブ」の精神です。

苦しい状況の中であっても、長期的な視線や目線を持ち、その発想を一丁目一番地に捉えて行動を決めていく。

特にJリーグやBリーグ等のスポーツチーム・クラブは、地元自治体からの支援文章を得ているなどといった、公共性の高い団体であると言えるでしょう。

だからこそ、ただ一方的に支援を求める・受けるのではなく、常に地元や相手に対して何ができるかを考える責務があると思っております。

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「ギブアンドギブ」は、ビジネスを進める上で考えが甘い、と言われることもあります。

でも、自分たちが苦しいからといって一方的に助けの手を差し伸べるのではなく、まずは自分たちがチーム・クラブとして存在できているのはなぜなのか、その存在意義を見つめ直し、そのことを考えれば、こうした行動にまず至らなければならない、と信じています。

「因数分解」で考えるとスポーツマーケティングがちょっと簡単になる

「因数分解」で考えるとスポーツマーケティングがちょっと簡単になる

過去のデータで言えば、1年間で大体10万人~15万人の方がホームのスタジアムに足を運んでくれています。分かりやすく入場料収入を10億円とすると、1人のお客さまで1万円使っていただいている計算になる。試合がなくて10億円分を埋めなきゃと思うとちょっと気が遠くなりますけど、お客さま1人に1万円使っていただけるようなものを提供できないかと考えるようになりました。だから我々としてはビジネスモデルが変わるくらいの覚悟を持って取り組んでいます。

入場料収入がなくても…横浜F・マリノスが仕掛ける「攻めの戦略」
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/72745?page=3

大きな目標にいきなり到達するのは、本当に大変なことです。

例えばあなたが横浜Fマリノスの社長だとして「日産スタジアムの7万席を満員にしよう」というお題目を設定した場合、「これをやれば達成できる」というアイディアは簡単に浮かんでこないと思います。

一人で行おうとすれば、簡単ではありません。

でも例えば社員が35人いたならば、一人一人が2,000席を集めるアイディアを全員が持ち寄れば、「7万人を集める」というお題目が「2,000席を集めるアイディアを35個実行する」となり、少しハードルが下がる印象があるかと思います。

自分自身、過去に楽天イーグルスに在籍したことがあるのですが、社内に流布するビジネスを組み立てる発想法として「因数分解」がありました。

楽天では「因数分解してアクションを決めて、結果が出るまで徹底してやりきる」という考えを皆が持っていて、自分もこの発想を叩き込まれた一人です。

目標を達成するためには、まず最初に、目標がどんな要素で成り立っているかを分解する。

そして、分解した一つ一つの要素を、どう高められるかを考える。そして実行する。

例えば「売上を上げる」という題目であれば、「売上=客単価×客数」なので、「客単価を上げるにはどうすれば良いか」と「客数を上げるにはどうすれば良いか」を分けて考え実行するというやり方です。

「ポートフォリオ」を組むことで、サスティナブルな経営に近づく

「ポートフォリオ」を組むことで、サスティナブルな経営に近づく

クラブの価値をもう一度掘り起こして、お金をいただくに値する資産があるのではないか、と。新しく事業の柱をもう1つ作るというイメージです。もちろん社会貢献活動や応援してもらっている方への支援は引き続きやっていきながら、それと併行して収益を得るものを展開していければいいなと思っています

入場料収入がなくても…横浜F・マリノスが仕掛ける「攻めの戦略」
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/72745?page=3

株式投資をやっている方であれば知っている、有名なアメリカのことわざがあります。

全ての卵を一つのカゴに盛るな
Don’t put all your eggs in one basket

これは、卵を一つのカゴに盛ると、そのカゴを落としてしまったら全部の卵が割れてしまうかもしれない。

しかし、いくつかのカゴに分けて卵を盛っておけば、そのうちの一つのカゴを落としてカゴの卵が割れても、他のカゴの卵は割れずに済むという意味です。

スポーツクラブ・チームの収益は「スポンサー収入」「入場料収入」がその大きな割合を占めてきました。

しかし、このような状況になってしまうことで、いくつもの収益源を保っておくことの重要性を改めて感じているのが今かと思います。

この状況を打破すべくどん欲にチャレンジし、新たな収益源を作るためいち早く具体的に動いている。

その姿勢は、「先を見据えて考え、そしてやってみる」という土台や文化が、この横浜F・マリノスにはあって、こうした動きで業界をリードする役割を担ってほしい、と強く感じた次第であります。

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